本書の内容
1952年に防衛研究所の前身である保安庁保安研修所が設置されてから、2022年で70周年を迎えます。『東アジア戦略概観』は、冷戦後に周辺諸国との相互理解と信頼醸成に向けた取り組みの一環として1996年に刊行が開始され、今回で26回目の刊行となります(本書「はしがき」)。
2022年版の本書は、新型コロナウイルス感染症後の世界を「大国間競争」の時代であると捉え、その主体である米国、中国、ロシアの視点から、競争がどのような様相を示しているのか、そして地域諸国がこの競争にいかに関わっているのかを分析する。また、大国間競争の時代、米国が2001年以降に関与を深めた「大中東圏」でどのような変化が生じているのかを取り上げるほか、2021年における重要な事象を分析している。
目次
第1章 米軍撤退後のアフガニスタンをめぐる大国政治
第2章 アラブ諸国とイスラエルの国交正常化の進展
第3章 中国:統制を強める中国共産党
第4章 朝鮮半島:南北で進むミサイル多様化
第5章 東南アジア:クーデター後のミャンマー情勢と地域安全保障
第6章 ロシア:新たな「国家安全保障戦略」と準軍事組織の発展
第7章 米国:対中「戦略的競争」の諸相と国際的リーダーシップの行方
第8章 日本:大国間競争の時代に求められる政治的選択