著者まえがきより
近年、古都・鎌倉にある円覚寺を訪ねる外国人の数は以前に比べてずっと増えてきました。そうした外国の人たちが当山を訪れる動機や理由はおそらく様々ですが、中には、「以前から仏教に関心があり、その一端に触れたいから」「目まぐるしい都会生活の疲れを仏教で癒したいから」という人もいるに違いありません。日常生活や将来に対して感じる疑問や迷いに対する答えを宗教の中に求めたい―そうした気持ちは今も昔も、また洋の東西を問わず誰にでもあるのです。
そんな人たちのために私は、これまでに一般の日本人を対象に定期的に法話会を開催してきました。この法話会は私が日ごろ感じたこと・考えていることを私自身の言葉でわかりやすく述べたものですが、幸いにもそれを聞いた多くの人たちから「とても参考になった」「とても励まされた」といった言葉を数多く寄せていただきました。
本書は、私がこれまで述べてきたそうした法話の中から、文化や国籍を問わず、多くの人たちにとって普遍的な関心事と思われる23編を選んで英語化したものです。この小さな本が、誰もが迷い悩むこの時代に生きる人たちにとって新しい視点と生きるためのささやかなヒントになることを、また、禅宗や仏教に対する関心を持っていただくための契機になることを切に願っています。
目次より
前書き
法話(23編)
付録「仏教の発祥と発展」「禅と臨済宗」「円覚寺の歴史」「用語解説」
本書の内容
A collection of deeply moving, beautifully expressed messages of counsel for people living in an age of confusion and trouble. Plus many beautiful photographs of the seasonally changing beauty of the temple Engaku-ji in the historical city of Kamakura. Twenty-three sermons carefully selected from three volumes from the highly acclaimed original Japanese version entitled I-ro-ha-ni-ho-he-to. Enjoyable and easy-to-understand English translation by a leading American translator. Informative supplements and glossary of terms for readers lacking detailed knowledge of Buddhism and Zen. Beautiful full-color photographs showing the seasonally changing flora and fauna of the temple Engaku-ji and some of its cultural properties.
・好評を博している日本版法話集「いろはにほへと」から23の法話を厳選。
・日本で随一の米国人仏教翻訳者による正確かつ分かりやすい・読みやすい英訳。
・仏教や禅宗について詳しく知らない読者のために”仏教早わかり”と用語解説を収録。
・円覚寺境内の四季折々の風景、動植物、そして文化財を数多くのカラー写真で紹介。