本書の内容
長年KBS(韓国放送公社)でアナウンス室長を務めた著者による仏教入門書の邦訳版。禅も中道も中庸も、日本の美学である侘びも寂びもすべて「0の幸せ」であるという。韓国発の刺激的な仏教入門書。
著者について
李圭恒(イギュハン)
1939年、ソウル生まれ。高麗大学国文科卒業。KBSアナウンス室長などを歴任。現役時代はスポーツキャスターとして野球、柔道、シルム(韓国相撲)などを中継。1993年、ハングルの日・大統領表彰受賞。現在、ポムン・アナウンスアカデミー教育諮問委員。著書『標準韓国語発音辞典』『アメリカ野球』など。
本書の目次より
- アメリカ西部旅行で金君に会う
- 仏陀の悟り
- 病床生活で発見した0の幸せ
- 仏陀は人生を発見したコロンブス
- 禅とは
- 仏教は両翼の飛行機
- 仏教の本質は「虚無/無常」ではない
- 仏陀の最初の説法
- 有の無と、無の有
- 仏陀は心の内を以心伝心で伝える
- 仏陀の入滅後、経・律・論を整理
- 韓国で最初に0が現れる文献「禅家亀鑑」
- テーマミュージック0が円と手印に変奏
- 顕教と密教
- 人生の三大要素、真理・性愛・実利
- 念仏はふるさとへ帰る道
- 集中・無心・一所懸命
- まねすることのできない聖職者の戒律
- 今、ここを生きる
- 地球は地上美術館、音楽の殿堂
- 仏教は生活哲学だ
- 中道と中庸は双子の生活哲学
- 中道と中庸は中間ではない
- 生活の中の中道・中庸
- 老荘思想と仏教
- 無為と道は0の幸せ
- 0は東西精神のヒマラヤ峰
- 金寿煥枢機卿と法頂禅師
- 未来の宗教は仏教
- 仏陀、悟りの動機はご飯の味
- 仏陀の師はご飯
- 米の語源は「菩薩」、「舎利」はご飯
- 0の食べ物
- +1以上の快楽もなく-1以下の苦痛もない
- お茶と禅
- 半跏思惟像の微笑は解脱の瞬間の得意の微笑
- 慶州石窟庵、釈迦本尊仏は中道の微笑
- 侘び、寂びは0の幸せ
- 岡山、静岡は0の幸せ
- 円い地球から円い太陽と月を見、0の味を味わいながら0に戻って行く
- 体は心を入れる容器
- 数字の世界に遅ればせに編入された0が数字の王になる
- 0はなぜ円なのか
- 私の数学的仏教観
- 衆生とけだもの
- 徳を施せば得になって帰ってくる
- 仏教的な地名ラックナウ
- 忘れ得ぬ人々
- Life is feeling
- 現住所は「いま市ここ町0番地」
- 終わりに 虎を描こうと思ってハイエナになってしまった