本書の内容
オバマ元米大統領2022年お気に入りの本!
コミックス界のアカデミー賞「アイズナー賞」2023年2部門受賞!
21歳のわたしが学生ローン返済のために働いた2年間をつづる
自伝的グラフィックノベル、待望の邦訳刊行!
北米のマンガ業界から21世紀で最も成功した女性マンガ家のひとりといわれるケイト・ビートン。カナダ生まれの彼女が、学生ローン返済のためにオイルサンド採掘の現場で働いた2年間の体験をつづる自伝的作品。男性社会における女性の生き方、理想の仕事を得ることの困難さと過酷な作業場での善と悪、環境破壊などの問題が、淡々とかつユーモアを交えて描かれる。『DUCKS』というタイトルは、汚染された貯水池に飛来して死んだ大量のカモにちなんで名づけられた。まるで、生活のために厳しい環境で傷つきながらも働く主人公と仲間たちを重ね合わせているかのように。
■目次
ケープ・ブレトン島
シンクルード社 ミルドレッド・レイク(基礎露天掘プロジェクト)
シンクルード社 オーロラ
ロングレイク OPTI-ネクセン社
ビクトリアでの1年
シェル社 アルビアン・サンズ
原著あとがき
訳者あとがき
著者について
ケイト・ビートン(Kate Beaton)
カナダのノバ・スコシア州、ケープ・ブレトン島で生まれ育つ。マウント・アリソン大学で歴史と文化人類学のふたつの学位を取得後、学生ローンを返済できる仕事を求めてアルバータ州に移り住む。西部で生活する間に『Hark! A Vagrant』のタイトルでウェブコミックの創作を始め、すぐに世界中の読者を魅了した。
代表作『Hark! A Vagrant』『Step Aside, Pops』の作品集はそれぞれ「ニューヨーク・タイムズ」のグラフィックノベルのベストセラーリストに数カ月載り続けていたのに加え、「タイム」「ワシントン・ポスト」「Vulture」「NPRブックス」のその年のベストリストに名前を連ね、アイズナー賞、イグナッツ賞、ハーベイ賞、ダグ・ライト賞を受賞した。ビートンは絵本『King Baby』『The Princess and the Pony』も出版している。
翻訳者について
椎名 ゆかり(しいな ゆかり)
海外マンガ翻訳者、東京藝術大学非常勤講師、デジタルハリウッド特任教授。文化庁参事官付芸術文化調査官(メディア芸術担当)。アメリカ・オハイオ州ボーリンググリーン州立大学大学院ポピュラーカルチャー専攻修士課程修了。
海外マンガや論文の翻訳及び海外におけるマンガ状況について執筆を行う。主な訳書に『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』、『私たちにできたこと 難民になったベトナムの少女とその家族』、『マンガ学 マンガによるマンガのためのマンガ理論』、『ザ・ボーイズ』、『モンストレス』など多数。